主に夏場、山林に近い民家では、ゴキブリなどを捕食するためにムカデがしばしば家屋の内部に侵入する。この場合、靴の中や寝具に潜んだりすることから咬害が多く、衛生害虫としても注意が必要である。
産業との関連は少ない。オオムカデ類の油漬けや乾物は火傷や切り傷に効果があるとされ、民間薬として知られており、一部に市販の例もある。観賞魚などの餌として冷凍のオオムカデが輸入されて市販されている。
近年の日本では、不快害虫の忌避効果を目的とした薬剤にムカデ・ヤスデの侵入防止効果を謳う場合が多い。家庭用殺虫剤等ではすぐには死なない(近年はムカデ用の殺虫剤が市販され、冷却により動きを止め、効果の解り易さを演出している)。俗に「ムカデはつがいで行動しているために、1匹を殺すともう1匹必ず現れる」と言われているが、ムカデにつがいで行動するような習性は無く(配偶時のみ短時間つがいで行動する)、1匹現れるような環境には自然とその他の個体も出現しやすいというだけのことである。 |